スクリーン印刷のテンション(張力)について。
これ、ぶっちゃけて言えば、適当でいいです。
自分で使うのであれば、全く問題ないですもんね。
これを製品として売ろうと思った場合はそうもいかないので、数値で示す
必要があります。ですので、テンションゲージ、という張力を数値化して
とらえる計測器があります。

ただのゲージなんですが、これが高い。実売、十数万円くらいでしょうか。
他にも違うタイプがありますが、このタイプが標準的です。
実は、借り物です。(高くて買えない)
スクリーンメーカーでは、だいたいの破断テンション値を持っています。
破断値の80%くらいを適正としていることが多いですね。
ただ、そのテンションで引っ張っても、版に接着後は自然とテンションが
落ちるので、それを見越して高めに引っ張ります。
ちなみに、Tシャツなどに多用される100メッシュであれば、おおよそ
上がり、2.0、くらいが多いようです。手刷りであれば、もうちょっと
落としても良いかと思います。
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で、テンションゲージと起業には、個人的に思い入れがあるんですよね。
ほんと、起業後2年間くらいまでは、ちょっと人には言えないくらいの
修練の場でした。いわゆる、思いつき起業のよくあるパターンってやつで、
自分の見込みの甘さ、そして、その実態を軽く見ていたこと、全てが
降りかかってきたかんじで。
いや、自分なりに起業の準備とか心構えとか勉強したつもりでした。
でも、ただのつもりだったんですね。
現実は厳しくて、1年後には借金数百万かかえてましたから。
数百万もかかえると、どこの銀行もお金なんて貸しません。
カードローンなんかも、前触れ無く借り入れ停止されたりします。
今思えば、あまりに当たり前のことで、何してたんだか笑っちゃいますが、
当時はもう金策のことしか考えてませんでしたから。
そんな中で、紗張りの仕事の話しをもらったわけです。
当時は紗張り機なんか買う金策はほとんど残ってなくて、本当に迷いました。
さらに借金を増やしての投資ですから。ある意味、賭けですね。
これだって、普通に買えば100万以上するわけです。
失敗すれば、本当に倒産+借金まみれ確定みたいな。
ともあれ、そんな中でこのテンションゲージを貸してもらったわけです。
・・・てか、まだ借りてます。
ですので、このゲージを見る度に当時を思い出します。
まぁ、今でもいつ倒産してもおかしくないわけですが、少なくとも
借金は完済できたので、それだけでずっと楽な気分になります。
これからが、本当の起業だと思って、きちんと勉強して行動して、
楽しんで仕事できればいいな、と。
ほんと、人生なんてどう転ぶか分かんないし、だからこそ
面白いのかもしれませんね。